二〇一五年皐月三十一日

日本海軍の主力戦闘機 零戦 その性能は?

ZERO

最近、風たちぬ永遠のゼロなどで零戦が話題になっていますね。

日中戦争でデビューを飾り、太平洋戦争緒戦の快進撃に貢献し、
終戦まで日本海軍の主力戦闘機として運用されました。

今回は、そんな零戦についての特集です。

スペック(零式艦上戦闘機二一型)

発動機(エンジン) : 一二型
最高時速 : 533.4㎞
急降下制限速度 : 629.7㎞
航続距離 : 2222㎞
武装 : 20㎜機銃x2  7.7㎜機銃x2

開発

最新鋭戦闘機の制作するにあたって、海軍がメーカーへ要求した性能は
  • 時速500㎞以上
  • 航続力6時間以上
  • 九六式艦上戦闘機と同等の空戦性能
という当時の日本の技術では非常にハードルが高いものでした。
もし、このスペックを実現した戦闘機を作ることができるならば、
間違いなく、世界最強の戦闘機といっても過言ではありませんでした。

この要求のとおりの性能を実現するために、
設計を担当した三菱重工の堀越技師は徹底した機体の軽量化を追求しました。
骨組みに「超々ジュラルミン」と呼ばれる軽く強度のある合金を使用し、
機体のあちこちに、バカ穴という肉抜き穴をあけ、
さらにはパイロットを守るための必要最低限の防弾装備まで取り外してしまいました。

こうして、あらゆる技術を結集させ徹底的な軽量化を施し、
時速533㎞、航続力10時間という当初の要求を上回る性能を発揮。

こうして零式艦上戦闘機一一型が完成し、戦線へと配備されました。
(この時点では着艦フックは搭載されてなく、艦載機ではなかった。)

実戦

一般人が抱く零戦のイメージといえば太平洋戦争、神風特攻隊などですが、
零式艦上戦闘機の初陣は対米英戦ではなく中国戦線でした。

最初の空戦で、零戦13機で中国空軍の33機(I-15、I-16)と交戦し、
27機を撃墜するという大戦果を挙げました。
零戦は41年まで中国戦線で活躍し、その間に266機を撃破、撃墜しています。

太平洋戦争緒戦でも活躍し、
P-38ライトニングやF4Fワイルドキャットとの空戦では連戦連勝を収めました。

しかし、零戦が無敵だった期間もそれほど長くはありませんでした。
不時着した無傷の機体を米軍に鹵獲されてしまい、
急降下が苦手であるなどの弱点が露見してしまうと、
対零戦用の「サッチウィーブ戦法」が導入され、零戦は不利な状況に立たされてしまいます。

さらに、米海軍は2000馬力エンジンを搭載した最新鋭戦闘機F6Fヘルキャットを戦線に投入。
数でも性能でも零戦を上回っており、日本海軍はとても太刀打ちできませんでした。


なお三菱重工は零戦の後継機として、「烈風」を開発していましたが、
様々な事情が重なって、終戦までに間に合わせる事ができず、
日本は制空権を完全に剥奪されてしまい敗戦を迎えることになります。


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